「手のなかの武器」制作にあたって

 
はじめまして。本作監督の吉本涼です。
今回私は、被災地を複数回訪問し、復興支援ボランティアに焦点を当てたドキュメンタリー映画を制作しました。

2011年3月11日。

東日本大震災を経験し、「被災地の人びとのために、何かできることをしたい。」そう考えた人も多いのではないでしょうか。当時大学4年生だった私もまた、そのひとりです。大学時代、私は映像制作を学び、発展途上国でドキュメンタリー映画を撮っていました。震災が起きたとき、幸いにも就職先は決まっていましたが、「今やらなければいつやる!」という思いに駆られ、すべてを投げ出して被災地で取材を行うことに決めました。しかし、「被災地でカメラを回すということは、ただの傍観者になるということではないだろうか。」生々しい光景を目の当たりにし、私は今までにないほどうろたえ、葛藤しました。それでも、地元の人々と交流する中で、「もっと多くの人に、この現実を知ってほしい。」という言葉をいただき、「自分にもできることがあるのではないか!」と考え直しました。

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復興支援ボランティアというと、瓦礫撤去や泥かきなど、肉体労働をイメージする方も多いのではないでしょうか。私も実際、そのようなボランティアに参加したことがあります。
しかし震災発生から時間が経つにつれ、そういった即時的支援から、「心のケア」や「街づくり」など、後発的支援のニーズも高まってきています。スポーツを通じた地元の人々との交流や、アートワークショップの実施など、ボランティアはさまざまな形態をとるようになりました。私は、「支援したい」と望む人、それぞれの経験やスキルを生かせる場が、今の被災地にはあると考えます。

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連日テレビや新聞で、被災地の悲惨な現実を目の当たりにすると、行動に移すことを躊躇してしまうのは当然だと思います。しかし、その気持ちを乗り越え、多くの若者が被災地に乗り込んでいるのです。
もしあなたが、「今からでも被災地支援に関わりたい!」と思われるのであれば、今こそ、あなたにしかできないことが、必ずあります。

「何かやりたい。でも何ができるかわからない…。」

まだ、自分と被災地との関わり方を見出せていない人びとへ、次の一歩を踏み出すきっかけとなりたいと思い、映画を制作しました。是非多くの人に見てもらい、次の一歩を踏み出して欲しい。ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。

 
 
2012年2月28日 - 監督:吉本 涼